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人物描写の面白さ(11/28)

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今回から本谷有希子さんの『遭難、』を扱っていきます。 出版当時、村上さんが衝撃を受けて、最も印象深い戯曲の一つというこの作品。 登場人物ひとりひとりの人物描写が面白く、 みなさん初見ながら、冒頭から早速にクスクスと笑い声が上がりました。 途中、章で区切って人物の関係や行動の因果関係などを整理していきます。 これから数週に渡り、登場人物たちの挙動や変化を楽しみながら読み進めていきます。 担当:広瀬

公演前の特別編(11/14)

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今回は参加人数が少なく、また、夕暮れ社の公演直前という事で特別に、 村上さん作の、来週の公演の上演台本を読ませてもらえる事になりました。 創作にあたってのメモ書きとしてマンガのような絵を見せてくださったり、 受講生の質問に応じて書くのに掛かった期間など、 戯曲が出来上がるまでの過程を聞く事ができました。 読んでみた受講生からは「どんな上演か気になる」という声が上がりました。 村上さんからも「読んだ印象が残ってる内に上演を見るときの、 発見や驚きを味わってほしい。」という提案があり、 上演観劇後の受講生の感想も気になるところです。 担当:広瀬

笑う事の効力(11/7)

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今回は4週に渡って読んできた「フローズンビーチ」を最後まで読み切ります。 3場はまた時間が移り2003年(執筆年から考えると少しだけ未来の話)になります。 2場の1995年と同じように時代性を感じるような事がちりばめられています。 時代の激動も直接的ではないものの物語の動きに影響しているように感じる部分もあります。 最後まで読み切ったところで受講生からリクエストをとって、 面白かったところ・気になったところを読み返しました。 区切って数週またいで読んでいたので、序盤に出てきて忘れていた伏線などもあり 最後まで読んだ上で気になるところを読み返したことで 謎だった事がようやく見えてくる部分もいろいろあったようで、 笑いの要素でも序盤を読みつつ終盤のギャグを思い返して笑ってしまうようなところもありました。 また、重たい問題を抱えて解決しない部分もある物語ではあるものの、 最後は登場人物みんながふざけ合い笑いながら終わったので、 観客が重たい空気を背負わずにスッキリ帰れるような終わり方で良かったという感想も出ました。 担当:広瀬

かみ合わなさを探る(10/31)

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今回も引き続き『フローズンビーチ』を取り上げます。 物語も中盤に入り、登場人物各々が持っている情報が違うために起こる、 かみ合わない会話の面白さが際立ってきました。 2場に入り、1場から年月が経って登場人物たちにも変化が起こり、 前回、突拍子もないキャラクターが面白いと言っていた「市子」が (市子自体の言動は変化が無いのですが、相対的に)まともに見えてきたという感想が出ました。 また、95年という時代背景や、作者の豊富な映画知識がさりげなく出てくることなどもあり、 受講生に感想を尋ねると、様々な細かな情報にも、みなさんそれぞれで興味が沸いたようでした。 会話がかみ合わない分、読んでいて何が言いたいのか分からないといった混乱も受講生の中で起きているようで、最後、登場人物たちがどうなっていくかを次回見届けることになりそうです。 担当:広瀬

キャラクター性を楽しむ(10/24)

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前回から引き続き『フローズンビーチ』を読んでいきます。 参加人数が増えて登場人物の人数と揃ったので、再び冒頭から。 読む上での台詞のテンポ感を大事にするため、過去形のト書きが多用されています。 慌てず、ト書きが後から出てきたら少し戻って確かめつつ読み進めます。 作者の得意とするナンセンスコメディの特徴として、 笑いの基本形である「フリがあってボケる」という形に対して フリをすっ飛ばす形で急に何の脈略もないギャグが入るようになっています。 また、「市子」という登場人物のキャラクターで評価されたという、この作品。 市子を読んでいた受講生もとても楽しかったそうで、 他の方々も次回以降で市子を読みたいということで、 これから数週に渡って、配役を交代しながら続けていきます。 担当:広瀬

ナンセンスに翻弄される(10/17)

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今回から『フローズンビーチ』という作品を取り上げます。 ミステリーのようなストーリーの中で唐突で突拍子もないギャグが繰り広げられるこの作品。 まずは、整理をするためト書きから舞台の要素を図にしてみます。 作品冒頭のト書きには無い舞台要素が台詞途中のト書きでいきなり出てきたりする割に、 冒頭ト書きに特段不要そうな”キリンの置物”が書いてあって、 みなさん「なんでそんな物が?」というようなリアクションだったのですが、 読み進めていくと実はのちのちシーンに活きてくるなど、 これだけでもどこか可笑しみがあります。 ミステリーの内容とコメディのシーンを行ったり来たりすることで、 実際の上演では観客が翻弄され続けるような感覚があるということですが、 事前に目を通した受講生からは、「目で読むだけでは何の事か分からなかったけれど、実際に会話として自分で声に出したり他の人から聞いたりすると台詞やキャラクターの面白さが分かってきた」との声もありました。 長編作品であることと、欠席が重なって受講生が少なかったこともあって、序盤4分の1ほどしか読めませんでしたが、 これから数回に渡って読み解いていきます。 担当:広瀬

ギャップと変化を見出す(10/10)

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今回も前回と同じ作品を取り上げました。 前回お休みだった人もいるので、改めて状況を整理しつつ読み進めていきます。 受講生から「主人公を(加害者に転じる前と後とで)同じ人物として演じるのは、難しい」という感想が出ました。 それに関して村上さんからは、変化のポイントをどこに持ってくるかが重要で、 どのタイミングに転換点を置いて演じるかで印象が変わって、 それによって全体の見え方も違ってくる、というアドバイスがありました。 また、百々山(警官)が登場人物で唯一、物語の中でクスっとくるポイントを持っていて、 演じ方でいくらでも面白くできそうだという感想と同時に、 必ずしも正義らしからぬ言動が多いという意見が出て、 作者の野田さんが抱く警察の印象や70年代の世間での警察のイメージなのかも知れないという話になりました。 また、子どもの役を読んでいた受講生は、 子どもが被害者だからこそ主人公の残虐性がより際立って感じたそうで、 村上さんや他のみなさんも、弱者を攻撃する残虐性も全体の怖さに影響しているというような感想をお持ちでした。 ある受講生からは、昔怖い本を夜に呼んだ翌朝に「普通の日常でよかった」と安堵した思い出と重なったという感想も出て、 読み終わって日常に戻った安堵感もこの作品の良さの一つにあるのかもしれないということで、 今回の講座を終えました。 担当:広瀬