ギャップと変化を見出す(10/10)
今回も前回と同じ作品を取り上げました。
前回お休みだった人もいるので、改めて状況を整理しつつ読み進めていきます。
受講生から「主人公を(加害者に転じる前と後とで)同じ人物として演じるのは、難しい」という感想が出ました。
それに関して村上さんからは、変化のポイントをどこに持ってくるかが重要で、
どのタイミングに転換点を置いて演じるかで印象が変わって、
それによって全体の見え方も違ってくる、というアドバイスがありました。
また、百々山(警官)が登場人物で唯一、物語の中でクスっとくるポイントを持っていて、
演じ方でいくらでも面白くできそうだという感想と同時に、
必ずしも正義らしからぬ言動が多いという意見が出て、
作者の野田さんが抱く警察の印象や70年代の世間での警察のイメージなのかも知れないという話になりました。
また、子どもの役を読んでいた受講生は、
子どもが被害者だからこそ主人公の残虐性がより際立って感じたそうで、
村上さんや他のみなさんも、弱者を攻撃する残虐性も全体の怖さに影響しているというような感想をお持ちでした。
ある受講生からは、昔怖い本を夜に呼んだ翌朝に「普通の日常でよかった」と安堵した思い出と重なったという感想も出て、
読み終わって日常に戻った安堵感もこの作品の良さの一つにあるのかもしれないということで、
今回の講座を終えました。
担当:広瀬
コメント
コメントを投稿