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12月, 2020の投稿を表示しています

他者の発話を取り込む(12/26)

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今回は実際の上演の映像を見ながら、その演技をなぞって発話するという手法で読み進めてみました。 10分程度のシーンを切り取って、 「観る → 読みながら映像の声に合わせて同じように発話してみる×数回  → 映像を観ずに出来るだけ映像と同じような発話で読む」といった手順で 読んでいきます。 前回までで一通り読んでみてから実際の上演を見ているので、 みなさんまず発話のスピードの速さや間の取り方、テンポなどにびっくりされた様子でした。 スピードついていけなくなってどこを読んでいるか見失ったり、 間をたっぷり取っているシーンで映像より先に読んでしまったりという難しさがあります。 それでも繰り返す内に徐々に映像と同じニュアンスで読めるようなところも出てきて、 「そういう意味合いで言っていたのか」といったような発見もあったようです。 村上さんによると、他の俳優の真似をして自分の癖とは違う読み方をすることで 演技にも解釈にも幅が生まれるとのこと。 次回も引き続き、この方法で読み進めていきます。 担当:広瀬

主題に思いを巡らせる(12/19)

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 今回は再び『遭難、』に戻り、まずは4場までを村上さんの解説で振り返ります。 そして5場から終幕までは、ちょっとした休憩を挟みつつですが、ほぼ一気に読み切りました。 読み切ってみての感想として受講生のみなさんそれぞれ、 タイトルの「遭難」という言葉に関して様々な印象を抱いたようでした。 「里見は問題が解消してしまって(終幕後の)これから遭難していくんじゃないか」という感想や それに対して「仁科が劇中で既に遭難しているような印象もある」というような感想も出ました。 また終盤の「私から原因取らないで」という台詞が印象に残ったという感想も出て、 人間誰しもそういう、うまくいかない理由を外に求めるような弱い部分はあるんじゃないかという話で盛り上がりました。 次週も少し趣向を変えた形で『遭難、』を深めていく予定です。 担当:広瀬

文化の違いを探る(12/12)

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今回は参加人数が少なかったため、急遽、初めての翻訳戯曲に挑戦することになりました。 フランスの劇作家によるブラックコメディの短編で、日本での上演も多いという『相寄る魂』。 まずは座ったまま、一通り読んでみます。 初対面の男女二人が公園のベンチで出会い頭に愛を語らうという突拍子もない内容で、 翻訳戯曲独特の言葉運びもありますが、読んでいるだけで笑えるようなセリフもあります。 2回目は配役を交代して立って多少動作も付けつつ読んでみます。 微妙な関係性や態度の変化など、 ただ読むだけだと分からなかったことも動作をつけることで見えてくるものがあります。 また、2回読んでみても分からない「文化の違い」みたいなものも感じることができて、 外国の戯曲ならではの楽しみ方ができました。

不可解さを探求する(12/5)

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先週から引き続きで『遭難』を読み進めていきます。 まずは前回読んだ部分を、おさらいで村上さんからのあらすじ整理を聞きつつ、 ザッと目で追ってから続きを読み始めました。 前回と同じく途中、場面転換のところで止めて情報の整理。 みなさんから「回想シーンでの学生時代の里見は担任に嘘をついているのか?」 「そもそも回想シーンで展開される事と前のシーンで言っていた過去の話とにも噛み合わない部分がある」など疑問が上がり、意見を出し合いました。 「先生の気を引くため嘘をついてるんじゃないか」「本当なのに信じてもらえなかったから性格に影響がでたんじゃないか」など様々な意見がでました。 他にも、「里見が過去の担任に電話して詳細が伝わっているのが変に感じる」という疑問に、 他の受講生から「かまってほしくてずっと逐一電話してるんじゃないか」という意見が出たりと、 議論しながら不可解な部分を深めていく作業になりました。 今回読んだシーンでは、鍵を掛けて他の登場人物を閉め出すなど扉の開け閉めが関係する場面が何度かあり、 外から扉を叩く、配役表にない登場人物の手だけが見えるなど、 室外を想像させる演出が物語に織り込まれている巧みさも味わってほしいと、 村上さんから解説がありました。 不可解だった部分が明らかになっていくのか、次回も続きを読み進めていきます。 担当:広瀬