新規受講の方も3名加わり、今までの倍の人数で『チロルの秋』を読んでいきます。 いつものように最初は短く区切ってローテーションで配役を交代しながら読み進めます。 人数が増えた分、色々な角度からの解釈が出て話が盛り上がります。 各々様々な印象を抱いたようですが、詩的な台詞に夢物語のような素敵なイメージを持ったという感覚は共通しているようでした。 一方で初見の方々は、やはり、時代の違いや言葉遣い・文字遣いによる読みにくさを感じているよう。 また、アマノは実在していなくて、ステラの想像上の人物なのかも知れないという新しい解釈が初見の方から出て、他のみなさんも「その見方も面白いかもしれない」と、その方向性での読み方も検討していきます。村上さんや前々回から参加している方々も新鮮な刺激を受けているようでした。 村上さんは、「これが正解、これが間違っている、ということは無い」と言います。 自由な解釈で面白いと思うものを作る事の方が重要ということで、過去に他の演出家さんがある戯曲のト書き中の「カッパ」を文脈的には雨合羽と解釈するのが一般的なところを敢えて妖怪の河童を背負う演出にした例を挙げていました。 さらに、ステラの言う「お芝居」から現実に戻るタイミングやスピードの解釈で演技や演出が変わっていくということで、特にその解釈について話を深めていきました。 2回目は、各々役を固定して前半・後半に配分し、さらに読み込みます。 読み終わってみると、「3人とも現実の人物」と言う人もいれば「全てステラの想像」と言う人もいて、他の人から出た解釈を噛みしめて読んだり、1回目に感じたことを深めていったりと、それぞれの解釈がお互いに影響しあって、より一層解釈が深まった様子でした。 担当:広瀬