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11月, 2020の投稿を表示しています

人物描写の面白さ(11/28)

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今回から本谷有希子さんの『遭難、』を扱っていきます。 出版当時、村上さんが衝撃を受けて、最も印象深い戯曲の一つというこの作品。 登場人物ひとりひとりの人物描写が面白く、 みなさん初見ながら、冒頭から早速にクスクスと笑い声が上がりました。 途中、章で区切って人物の関係や行動の因果関係などを整理していきます。 これから数週に渡り、登場人物たちの挙動や変化を楽しみながら読み進めていきます。 担当:広瀬

公演前の特別編(11/14)

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今回は参加人数が少なく、また、夕暮れ社の公演直前という事で特別に、 村上さん作の、来週の公演の上演台本を読ませてもらえる事になりました。 創作にあたってのメモ書きとしてマンガのような絵を見せてくださったり、 受講生の質問に応じて書くのに掛かった期間など、 戯曲が出来上がるまでの過程を聞く事ができました。 読んでみた受講生からは「どんな上演か気になる」という声が上がりました。 村上さんからも「読んだ印象が残ってる内に上演を見るときの、 発見や驚きを味わってほしい。」という提案があり、 上演観劇後の受講生の感想も気になるところです。 担当:広瀬

笑う事の効力(11/7)

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今回は4週に渡って読んできた「フローズンビーチ」を最後まで読み切ります。 3場はまた時間が移り2003年(執筆年から考えると少しだけ未来の話)になります。 2場の1995年と同じように時代性を感じるような事がちりばめられています。 時代の激動も直接的ではないものの物語の動きに影響しているように感じる部分もあります。 最後まで読み切ったところで受講生からリクエストをとって、 面白かったところ・気になったところを読み返しました。 区切って数週またいで読んでいたので、序盤に出てきて忘れていた伏線などもあり 最後まで読んだ上で気になるところを読み返したことで 謎だった事がようやく見えてくる部分もいろいろあったようで、 笑いの要素でも序盤を読みつつ終盤のギャグを思い返して笑ってしまうようなところもありました。 また、重たい問題を抱えて解決しない部分もある物語ではあるものの、 最後は登場人物みんながふざけ合い笑いながら終わったので、 観客が重たい空気を背負わずにスッキリ帰れるような終わり方で良かったという感想も出ました。 担当:広瀬

かみ合わなさを探る(10/31)

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今回も引き続き『フローズンビーチ』を取り上げます。 物語も中盤に入り、登場人物各々が持っている情報が違うために起こる、 かみ合わない会話の面白さが際立ってきました。 2場に入り、1場から年月が経って登場人物たちにも変化が起こり、 前回、突拍子もないキャラクターが面白いと言っていた「市子」が (市子自体の言動は変化が無いのですが、相対的に)まともに見えてきたという感想が出ました。 また、95年という時代背景や、作者の豊富な映画知識がさりげなく出てくることなどもあり、 受講生に感想を尋ねると、様々な細かな情報にも、みなさんそれぞれで興味が沸いたようでした。 会話がかみ合わない分、読んでいて何が言いたいのか分からないといった混乱も受講生の中で起きているようで、最後、登場人物たちがどうなっていくかを次回見届けることになりそうです。 担当:広瀬