投稿

8月, 2020の投稿を表示しています

違いやズレを味わう(8/22)

イメージ
今回は会場の都合もあって、普段会場で受けている受講生も ほぼ全員オンラインで受講することにしました。 先々週に引き続き岩松了さんの作品を2場から読み進めていきます。 日常的な会話の中ですが、徐々に大きな出来事が出てきて、 感情の起伏も大きくなっていきます。 台詞中ト書きの対象語が抜けているところから、 「目尻の濡れをぬぐって」という仕草が自分の涙を拭くのではなく 対話している奥さんの涙を拭くのではないか、という意見が出ました。 こういう視点の転換も面白い演出に繋がると言うことで、 みんなで自分で自分の涙を拭く場合と相手の涙を拭く場合の印象の違いを出し合いました。 他の人との会話のシーンにも似たようなト書きが出るので「涙もろい」のではという意見や、 奥さんの涙を拭く優しさも見えるという意見も出ました。 普段は会場に数人いて、オンラインで1~2人ですが、 全員がZoomの画面に収まって一人1画面ずつとなると、 また少しテンポが変わって新しい発見もあります。 来週は会場に戻ってまた続きを読み進めていきます。 担当:広瀬

お盆スペシャル(8/15)

  一旦前回の作品をお休みして、今回は今回限りで同時代ごろの松田正隆さんの会話劇を読んでいきます。 ストーリーも時期にピッタリのお盆の話でした。 全編長崎弁で違和感を感じながらも、みなさんそれを楽しんでいるようでした。 今回限りという事で一気に最後まで読み切り、あまり感想シェアの時間を取れませんでしたが、 松田さんの作品は何気ない会話の中から徐々に大きな問題が見えてくるという構成がきれいだと村上さんがおっしゃっていた通り、 みなさん読みながら、また読み終わってからも、物語が最後に向かう流れに作品のおもしろさを感じているようでした。 担当:広瀬

空間をイメージする(8/8)

イメージ
オンラインでの受講生が新たに2名増え、作品も新しい作品を読んでいきます。 岩松了さんの作品は、現代的な会話劇です。 まずは、最初のト書きから舞台がどんな家かイメージを出し合いました。 「平屋建て」というところを取っ掛かりに特徴を実際に絵にまとめてみます。 共有したイメージを元に実際に会話を読んでいきます。 誰かがその場からいなくなったときの会話の質の変化や、 その場にいるのに喋ってない登場人物とその間よく喋っている登場人物との対比や関係性など、 場の変化を味わいながら読み進めます。 さらに、合間合間でト書きに舞台の要素が出てきたら絵に描き足していきます。 村上さんは、「これから先、他の作品に出演することになったときに、 岩松作品を通してその作品の演劇史上の文脈が分かると面白い」と言います。 来週以降も引き続きこの作品を読み進めていきます。 担当:広瀬

熱量と印象(8/1)

今回は会場での受講のみだったので、 いつもと違い車座になって読みます。 前回から引き続き同じ作品を読み進めていきますが、 みなさん少し慣れてきたのか、長台詞や癖の強い台詞回しも前回以上に朗々・活き活きと読んでいました。 また、ト書きに動きが多く、実際の上演も動き回っていたという事から、終盤の「海が見たい」という台詞一つ取っても、動き回った後の身体で発したり聞いたりするとまた印象が変わるという話になりました。 途中、登場人物の、中でも大山(犯人)の人物像が掴めないという話になりましたが、 最後の台詞まで実際に声に出して読みきることで、物語や登場人物の全体像がハッキリした様子でした。 担当:広瀬