動作・台詞と感情の描かれ方(9/26)
今回も前回と同じ作品を読むことになりました。
参加人数は4人だったので、役は固定しつつ1場ごとに一人ずつ交代する形で読み進めていきます。
村上さんは、前回も少しピックアップした「語気が荒くなってしまった。」というト書きが
対象の台詞より後に書かれてい事を例に挙げ、
過去形の動作や情動のト書きを対象の台詞や動作より後に書く事により、
強く印象付けられる効果や、読み物としてテンポよく読み進められるという
効果があるといいます。
一通り読み終えたところで村上さんから各場の簡単な解説がありました。
各場ごとに印象的なアイテムやワードがあり、それぞれが強く象徴的に描かれていました。
麦茶を飲む飲まないというやりとりがシーンをまたいで度々出てくるのですが、
シーン毎に色々なことを象徴していて、例えば夏の法事に出てくるような印象から
葬式的なイメージを想起させるようなところがあります。
また畳の上の蟻を目で追うシーンも何回か出てきますが、
実際に上演すると観客から見えるか見えないかのサイズであるため、
いるかいないかが曖昧な登場人物の象徴というようにも取れます。
剣道のシーンでメッタ打ちになるのは、
痛みによる記憶の刷り込みの様で「忘れてほしくない」という気持ちを表しているのではないか、
最後の場で、どうでもいい他愛のない話題が繰り広げるのは、
延々と続けられる内容から別れる寂しさを喚起される、
等々、
挙げ始めるとキリがないほど象徴的な描かれ方をしているものが散りばめられている戯曲でした。
担当:広瀬
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