発話のテンポ(3/21)

コロナの影響で人数は少ないですが、3月中は集まれるメンバーだけで講座外の自由参加ワークショップです。

既成の戯曲を使って発話のテンポについて深めていきます。
演出家が「テンポを上げて」というと、役者は早口になってしまう事があります。
村上さんが使う「テンポ」とは、どちらかというと、読み上げるスピードの事ではなく、役者(登場人物)同士のセリフとセリフの間の事のようです。

村上さんがワンシーン読む毎に具体的に一個ずつ「テンポ」を良くするための課題を出して、参加者は確実にその課題を試行していきます。



まずは、相手のセリフを待たずに、発語したい衝動を高めていって高まったところで発語する。村上さんは「緊急性」という言葉も使って、セリフを発する事の緊急性を上げる事でテンポを上げるという方法論でテンポを調整していきます。

次に、一文字一文字のスピードを変化させる。日常会話では、例えば「ビックリ」という言葉の一文字一文字を等速で発語する事はほとんどなくて、「ビ」は長く伸ばして「ックリ」は短く抜けるように発語するなど、ワンセンテンスの中での文字単位の長さもちょっとずつ変えていきます。

最後に、実際に立ち上がって動きも付けて、立ち位置や動きのやりとりを含めてここまで良くなってきたテンポを崩さないように演技をします。



初見のテキストなので、読み飛ばしや役の読み違えなども偶に起こりますが、それでも出された課題は全てのセリフに対して様々な角度で試すという姿勢が全参加者に見えて、読む度に面白くなっていきました。

題材が不条理劇の短編だったのもあって、テンポが良くなるに連れて登場人物同士の飄々とした態度と真剣な態度ギャップが立ち上がっていって思わず笑ってしまいました。


担当:広瀬

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